芦之湯温泉のおすすめの宿ランキング

芦之湯温泉

芦之湯温泉に宿泊するならこの宿！

美肌の湯 きのくにや

美肌の湯 きのくにや

江戸時代の温泉番付で、箱根七湯の中で最高位と効能一番に格付けされた芦之湯温泉。かつては関所を抜け峠越えの旅人が数多く立ち寄ったとされ、伊勢屋・松坂屋・紀伊国屋・亀屋・吉田屋・大黒屋の6軒の宿があったとされるが、その中の一つで江戸中期の1715年創業の老舗旅館が、この『きのくにや』だ。

正直な話、芦之湯温泉で泊まるなら「松坂屋本店」の方が格上な感じで、総合的な満足度も高く万人受けするわけだが、温泉好きが本当の意味で芦之湯温泉を堪能できるのは『きのくにや』なのである。

歴史上では『きのくにや』の次男坊が松坂屋を継いだという話もあるが、それはさておき、天下にその名が知られた自家源泉の芦之湯1号泉で「仙液湯」と言われる、自噴する白濁したやさしいぬめり感のある高濃度の単純硫黄泉や、「黄金湯」と言われる玉子フラン臭が印象的な自然湧出の単純硫黄泉、そしてさっぱりした供給温泉で「揚場2号泉」と言われる、メタケイ酸を238mg/kg含むpH8.0のカルシウム･ナトリウム･マグネシウム－硫酸塩･炭酸水素塩泉など、5つの源泉による湯浴みが、露天風呂や大浴場・釜風呂・貸切風呂など趣向の異なる湯舟で存分に楽しめる。

この宿の魅力はここに尽きるわけだが、実は私とこの宿との出逢いは、まだ温泉が何かもよくわからぬ中学一年の時で、その頃この宿には音楽スタジオがあり、1泊3食付きで5000円程度でバンド合宿を受け入れていた。

たしかご主人が音楽関係に明るかったか何かで、今からは考えられない老舗旅館の姿だったが、温泉ブームが訪れる前の時代であり、この時代どこも温泉旅館は生き残りをかけ必死だったわけである。その後も音楽合宿の受け入れは続けられていたが、現在はどうなっているのかわからない。

ともあれ部活合宿が人生で初めての本格的な温泉旅館デビューとなった私は、それから5年連続で、しかも3～4連泊で毎年夏にこの宿を訪れることになったのだが、この宿が歴史ある老舗旅館で、しかもここの湯が箱根随一の素晴らしい温泉であることを知ったのは、それから20年も後のことだった。

当時の私は、それが水道水だろうが温泉だろうが全く気にせず、一日に何度もシャワー代わりに汗をかけばすぐに風呂に向かっていたわけで、そのお湯がどうだったかなど全く記憶にない。今思えばもったいないようでもあり、超贅沢なことでもあるのだが…

その後温泉ブームが到来し、箱根の老舗旅館としてテレビや雑誌でこの『きのくにや』を目にした時には、「えっあの宿が…」と正直ぶったまげた。

話はそれたが、そういう個人的な想い出は抜きにしても、本当の意味で芦之湯温泉を楽しみたいのならこの宿をおすすめする。

松坂屋本店にも『芦刈の湯』という、メタケイ酸を219mg/kgも含むpH8.1の素晴らしい含硫黄－カルシウム・ナトリウム・マグネシウム－硫酸塩・炭酸水素塩泉があるのだが、多種多様な泉質と湯舟で、趣の異なる湯浴みが楽しめる点や、何より江戸時代より続く"天下の名湯"の芦之湯1号泉を楽しめるという点において『きのくにや』をおすすめしたい。

ただし必ず貸切風呂も利用し、異なる泉質を異なる浴槽にて堪能してほしい！

≫『きのくにや』の宿泊プランを見る！