三津浜温泉の宿ランキング

三津浜温泉

三津浜温泉に宿泊するならこの宿！

松濤館

松濤館

駿河湾越しに富士山を望む絶好のロケーションを誇る三津は、日本を代表する洋画家のひとり梅原龍三郎がこよなく愛した地であり、この富士山を観に多くの観光客が足を運ぶ。最近では県道沿いに建つ 湯の花温泉 安田屋旅館 が、人気アニメ『ラブライブ！サンシャイン!!』の主人公の高海千歌の実家の旅館モデルとなったこともあり、聖地巡礼で訪れるアニメファンも多い。

そんな三津でご紹介する宿が『松濤館』だ。波静かな 内浦湾 を臨む "海と富士、絶景の美食宿" をコンセプトとする、明治時代の1911年に創業した老舗旅館だ。

創業当時は木造建築だったが、昭和末期に鉄筋コンクリート造となり、その後も2007年や2019年にリニューアルされており、現在は約400坪の敷地に延床面積 約1130坪の鉄筋コンクリート造 6階建の立派な温泉宿となっている。

そんな『松濤館』に2023年秋に湧いた自家源泉が、ナトリウム－硫酸塩泉の三津浜温泉だ。実は自家源泉が湧く前から、『松濤館』は温泉宿と言えば温泉宿だったのだが、なかなか積極的におすすめしにくい温泉宿だった。

と言うのも、館内施設も富士山を望むロケーションもそのおもてなしも、宿としては一目置かれるピカイチの宿だったのだが、毎日 大仁温泉よりタンクローリーにて運ばれてきた運び湯による湯宿だったため、"温泉"を主としたこのサイトの特性上なかなか積極的におすすめできず、大仁温泉の番外の宿としてご紹介するに留めていた。

それが晴れて自家源泉を手に入れ、こうして三津浜温泉としてご紹介できるようになった。ただ泉質や湯量などの問題もあり全てがこの三津浜温泉になったわけではなく、大仁温泉からの運び湯との混合泉となっているため、温泉そのものは極上とは言えないが、それでも温泉宿として自家源泉を持つということは何にもまして訴求力がある。

従前から宿としての魅力はピカイチだったので、まさに鬼に金棒！虎に翼！といったところだろうか。

そんな『松濤館』の数寄屋風の和モダンな客室からは、海の突堤に建つロケーションを活かした内浦湾や淡島などの開放感あふれる眺めが楽しめる。半露天風呂付の客室もあり、富士山を眺めながらの湯浴みが愉しめる他、夜には漁火が灯る駿河湾の夜景など、贅沢な時の流れが感じられる。

また展望大浴場として、三津港や淡島の眺望をはじめ駿河湾越しに富士山が眺められる露天の檜風呂の「富士の湯」と、露天の岩風呂の「愛鷹の湯」がある他、完全予約制による貸切風呂の「葛城の湯」もある。

そして冒頭で梅原龍三郎の名を挙げたが、1936年に梅原龍三郎が三津から程近い 照江寺 がある江浦の風景を描いた『江之浦 残月』を発表すると、それが話題となり多くの画家がこのエリアに訪れるようになったという。

大仁温泉 とともにこの三津をこよなく愛した梅原龍三郎は、岡部長景の別荘で描いた『富士山図』をはじめ、『富士図』『三津浜富士の図』『三津浜の富士』など、同じこの三津からの構図で様々な富士山を描いている。

この『松濤館』にもよく足を運んでいたようで、そんなこともあり館内には梅原龍三郎や横山大観・棟方志功・東山魁夷・平山郁夫など、日本画壇のそうそうたる面々の作品が飾られている。

ロビーやラウンジだけでもかなりの作品数だが、それ以外にも画廊談話室「悠」があり、ここにも日本画の巨匠の絵画が飾られている。雨天時や秋の夜長、月冴ゆる夜など、一点一点じっくりと鑑賞してみてはいかがだろうか。

下手な美術館を訪れるよりもよっほど楽しめるわけで、しかも滞在中は自由に何度でも鑑賞できるので、絵画ファンならずとも一度は作品の前で足を止めてみてほしい。

そんな梅原龍三郎の三津での作品と現在の景色との対比の中で、残念なことが一つある。それが富士山の手間に建つマンションだ。個人的には頭ではわかっているのだが、どうしてもあのマンションが～と思ってしまう。皆さんも現地で確認してみてほしいのだが、富士山を眺める度に景観条例等で何とかならなかったのかぁ～と残念に思う。

同じような思いを 鮎壺の滝 でもしていた訳で、あれも沼津市かぁ～と思わず愚痴ってしまうのだが、価値観は人それぞれであり、現代社会においては歴史ある景観が失われていくことはある意味致し方ないことなのだが、それでも富士山を愛する人間からすると残念でならない。

静岡県人として毎日富士山を拝み、あらゆる所から富士山を眺めてきた中で、個人的にこの内浦湾から望む海上に浮かぶ富士山が大好きなだけに、その思いは強い。

そんなこともあって、私は梅原龍三郎がこよなく愛した左手に淡島を観る眺めよりも、右手に観るこのページの一番上の写真の眺めの方が好きになった。『松濤館』から 長浜城跡 方面へと700mほど歩いた堤防が切れる内浦験潮場手前から眺める係留されたヨット越しに見る富士山がそれで、淡島と長浜城跡との間に富士山が顔を出す構図だ。

構図としては前者の方がやはり良いのだが、眺める度にどうしてもマンションに目が行ってしまうので、純粋に富士山が楽しめる後者を好むようになった。

『松濤館』より散歩するにはちょうど良い距離なので、内浦湾を巡りながら、お好きな富士山の眺望スポットを探してみてほしい。またこの内浦・西浦エリアには、富士山ビュースポット西浦江梨 や 大瀬崎 など富士山の絶景スポットがいくつもあるので、是非訪れてみてほしい。

とまぁ～いろいろ語ってきたが、最後にすぐ隣が 伊豆･三津シーパラダイス なので、『松濤館』は親子三代で記念日などのお祝いで訪れるにもすごく良い宿だと思う。

特に義理の父や母のお祝いで悩んでいる方には重宝する宿で、失礼のないように大人の宿にしたいけど、小さな子供は楽しめないし、孫が喜ばないと義父たちも気をつかう…などというケースには最適だ。

また孫と以外では長らく水族館なんて…と足が遠ざかっているシニア世代のご夫婦にも良い気がする。わざわざ2人で水族館に行こうか…とはならなくても、すぐ隣が水族館なら足も向きやすいのでは？

昔を思い出して、久し振りに2人で水族館デートなんていかがかな？

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