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岩地温泉

岩地温泉に宿泊するならこの宿！

コート・ロシューズ

コート・ロシューズ

かつて鰹の遠洋漁業で栄え、現在はキビナゴ漁が盛んな岩地温泉。遠浅で波静かなビーチを抱え、白砂が美しい弓なりの海岸線沿いに、ウコン色の屋根とアイボリーホワイトの壁の建物が多く見られることから、いつしか世界的に知られる南フランスのリゾート地になぞらえ "東洋のコートダジュール" とも言われるようになった温泉地だ。

初めて岩地温泉を訪れたのは、かれこれ何十年も前の夏の海水浴シーズンだったのだが、訪れるまでは「えっ! コートダジュール???」と、耳を疑うようなその言葉を俄かには信じられないまま車を走らせたのを覚えている。

国道から見下ろしたその光景は、確かに写真で見たあのリゾート地のような匂いはするものの、でもなぁ～と思いながら海岸に下り一日海水浴を楽しんだ。

包み込まれるような色彩豊かで色鮮やかな海岸線の美しさと海の透明度、そして賑わうビーチの姿に、大げさではあるものの、すっかりプチダジュール気分に染まっていたのを覚えている。

波も穏やかでしかも遠浅、さらさらとした白砂も素足にやさしく、温暖な気候と相まって本家本元には訪れたことは無いが、「なるほどコートダジュールねぇ～」と何となくそんな気になっていたわけだ。

だが、近年の過疎化と地方経済の厳しさの波はここにも押し寄せているわけで、残念ながら夏休みでも昔ほどの快活さは見られなくなった。それでも伊豆の西海岸にあって、異色の温泉地であり他とは一線を画す雰囲気が残る海水浴場であることには変わりはない。

そんな岩地温泉でご紹介する宿が『コート・ロシューズ』だ。岩地海岸沿いにある宿ではなく、松崎温泉より国道136号を南下して行くと、一里塚のバス停近くを浜とは反対の岩地峠方面へと上る道沿いにある、夜間だと通り過ぎてしまいそうな場所に建つペンションだ。

高台から駿河湾を望む個性的な温泉宿で、所謂ペンションではなく、洋風仕立ての畳敷きの温泉旅館というか、異色の温泉地らしい異色の宿と言える。

普通に海沿いの温泉民宿に泊まるのももちろんありなのだが、岩地温泉らしく!?、たまにはこういう宿に泊るのもいいのかな…と思う。

"東洋のコートダジュール" で「ダジュール岩地」に入り『コート・ロシューズ』に泊る…、そんな旅をしてみたくなるのである。

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