伊東温泉のおすすめの宿ランキング

伊東温泉

伊東温泉に宿泊するならこの宿！

青山やまと

青山やまと

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で話題となった 伊東祐親 や源頼朝・日蓮などにゆかりがある伊東は、"花と海といでゆの街" をスローガンに掲げ、京都や奈良など全国に9都市しかない国際観光文化都市に、隣り合う熱海市とともに指定されている。

1950年5月に「伊東国際観光温泉文化都市建設法」が国会で可決された後、日本国憲法第95条に基づく住民投票により過半数が賛成し成立。これにより国際的な観光･温泉等の文化･親善を促進する地域として、財政的な優遇措置を得ながら邁進してきた。

静岡県の都市が2つも選ばれているのも凄いことなのだが、隣接する2都市が選ばれているということは、半世紀以上に渡って東伊豆エリアがいかに国際観光都市を目指し整備発展してきたかを如実に示している。

そんな伊東市の中心市街地に広がる伊東温泉は、古くから政財界の要人や文人墨客に愛されてきた。与謝野晶子や北原白秋・高浜虚子・幸田露伴・川端康成・室生犀星などが足を運び、東郷平八郎や瓜生外吉･繁子夫妻・若槻禮次郎・李王家までが別荘を構えていた。

また 東海館 や 旧旅館いな葉 など大正～昭和期の木造建築が建ち並ぶ松川沿いには、石畳や桜並木の遊歩道が整備され、古き良き時代の温泉情緒に酔いしれるにはよい散歩道となっている。恒例の 松川タライ乗り競走 の舞台もこの辺りとなっている。

一方温泉地としては、別府温泉・由布院温泉 とともに「日本三大源泉数」として知られ、源泉数が750本を超え日本で第3位…と紹介されることが多いのだが、実際には過去のそれも伊東市全体での源泉数であり、所謂伊東温泉の源泉数というわけではない。

静岡県の統計によると、2016年の伊東市の源泉数は752本、その内伊東温泉と言われるエリアの源泉数は624本で、コロナ禍での廃業などもあり、残念ながら2021年には伊東市が698本、伊東温泉は571本にまで減少している。

また毎分の湧出量も、2016年の伊東市が34,197L/分で、その内伊東温泉が22,447L/分だったが、2021年には伊東市が31,136L/分、伊東温泉は19,252L/分まで落ち込んでいる。

とは言え、県内随一で全国屈指の源泉数と湧出量を誇る温泉地であることには変わりはなく、今も昔も伊東温泉では豊富な湯量を活かした源泉かけ流しの湯浴みが堪能できる。

そんな伊東温泉でおすすめしたい宿が、伊東と言えば真っ先にその名が挙がる『青山やまと（せいざんやまと）』だ。和の設えと心に寄り添うおもてなし、そして源泉100％かけ流しのお湯が評判の伊東温泉を代表する温泉旅館だ。以前は『靑山やまと』と旧漢字が使われることが多かったが、現在は公式サイトをはじめ『青山やまと』となっている。

源泉100％かけ流しで野趣あふれる露天風呂の「星の湯」をはじめ、伊東の市街地を一望できる半露天の「風の湯」や貸切風呂の「すずめの湯」などを満喫できるのだが、この宿の魅力はそこではない。

『青山やまと』を一言で表現するなら、滞在中の "心地良さ"！ この言葉に尽きる。

この宿には、目新しいものやSNS映えするような派手な演出は無い。だが写真や動画では伝わらない気遣いやおもてなし、接客というありきたりの言葉では表現できない距離感や一人一人のお客様に寄り添った触れあい方、そして何より決してマニュアル化できない人間力の素晴らしさがある。

それが『青山やまと』の最大の魅力であり、"心地良さ" に繋がっており、ひいては伊東屈指の名旅館となっている謂れでもある。

1965年創業の「大和館」を前身とし、1996年にオープンした『青山やまと』には、まだ老舗旅館と呼ぶほどの歴史は無い。だが伊東温泉を牽引する宿として、すでに老舗旅館に相応しい佇まいがここにはあり、伊東の中心市街地より少し離れただけなのに、この丘には贅沢な時の流れがある。

時がゆっくりと流れ、空間そのものがゆったりと感じられ心底寛げる宿…、それこそが旅館本来の姿ではなかろうか。

一辺倒でマニュアル通りなサービスは、時に過剰でうっとうしく感じることもある。『青山やまと』には必要以上の接点はなく、だからといって足りないものもなく、一人一人のお客様に合わせた程よいサービスが、"心地良さ" を生み出している。

ハイクラスの宿はケチるな…とよく言っているが、この『青山やまと』にあっては、二食付きのプランであれば部屋食であれ食事処であれ、また露天風呂付の部屋でなくとも、十二分にこの宿の素晴らしさが感じられるのではなかろうか。

ある意味特異なハイクラスの宿であり、リピーターが多いことも頷ける宿である。近い将来、名実ともに老舗旅館となる日が来ることだろう。

ここで余談ながら伊東温泉の一口メモとして、伊東温泉には「伊東温泉七福神」「伊東温泉七福神の湯」「お湯かけ願かけ七福神」という紛らわしい3つの七福神めぐりがある。

この内「伊東温泉七福神の湯」の寿老人にあたるのが、江戸幕府3代将軍 徳川家光の時代に将軍家への献上湯とされた、1598年より続く伊東最古の "和田の大湯" で、"和田寿老人の湯" として今も営業を続けている。

かつての趣は無いが、別格とされた湯に是非とも立ち寄ってみてほしい。ただしこちらも紛らわしいのだが、"和田の大湯" は "和田寿老人の湯" なのだが、入口の石像は "和田寿老神の湯" となっていて、さらに建物は "和田湯会館" となっているので注意！

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