諸国温泉功能鑑
温泉番付は、江戸時代の寛政年間に、大相撲の番付に見立てて歌舞伎役者の格付けなどを行った流れの中で登場した。大関・関脇・小結など、東日本と西日本に分かれて温泉地の効能や評判をもとに格付けを行ったもので、『諸国温泉鑑』『諸国温泉功能鑑』などの温泉番付が有名だ。
墨屋小兵衛版の『諸国温泉功能鑑』や、早稲田大学図書館にある『諸国温泉功能鑑』、東京都立図書館にある『諸国温泉鑑』など、今と同じように江戸~明治時代にはいくつもの見立番付が発行されているが、ここで紹介しているのは、江戸時代後期の1817年に発行されたとされる『諸国温泉功能鑑』だ。右の写真は1851年発行の『諸国温泉功能鑑』。
いずれの温泉番付も、東西大関は草津温泉と有馬温泉で、勧進元や行司には熊野本宮の湯(湯の峰温泉)の名が登場するが、作成時期により行司が変わったり、微妙に順位変動が見られるのも今と同じでオモシロい。