雲辺寺（うんぺんじ）とは？

徳島県三好市の香川と徳島の県境に位置する標高927mの 雲辺寺山 にある、山号を「巨鼈山（きょごうざん）」院号を「千手院」と称し、経尋（きょうじん）が眼病治癒のために刻んだ像高103.3cmの秘仏で 国の重要文化財 に指定されている千手観音菩薩坐像を御本尊とする真言宗 御室派の寺院。四国八十八箇所 の第66番札所。

789年に善通寺の建材を探し山に入った空海が、この地に心を打たれ堂宇を建立したのがその始まりで、818年には嵯峨天皇の勅を奉じ初代の本尊を刻み、仏舎利と仏法石を納め七仏供養を行った。さらに清和天皇の勅許により 勅願寺 となるも11世紀末に焼失。その後再興され、鎌倉時代には七堂伽藍を備え12坊 8末寺を有した。

四国八十八箇所で標高911mと最も標高が高い最高峰の札所で、僧侶の修行道場として "四国高野" とも呼ばれた 紅葉スポットとして知られる境内には、空海ゆかりの中国福建省の赤岸鎮にある五百羅漢院の像を模した「五百羅漢像」がズラリと並び、初夏の遊歩道には紫陽花が彩を添える。

日頃の行いや信仰心が試される各国に一ヶ所ある讃岐国の 関所寺 ながら、実際には阿波国に建ち、1987年に開通した全長2594m 高低差657mを約7分で結ぶ101人乗りの「雲辺寺ロープウェイ」も香川県に位置するも、山頂駅を降りると眼前に県境がある。

山頂からは阿讃山脈や瀬戸内海、瀬戸大橋越しに本州まで一望でき、さらに高さ10mの「毘沙門天展望館」からは360度の大パノラマが楽しめる。

また近くにコロナ禍の2020年に閉鎖したスキー場の「スノーパーク雲辺寺」を再整備した「雲辺寺山頂公園」があり、天空のブランコや天空のフォトフレームがSNS映えスポットとして人気となっている。