金長神社（きんちょうじんじゃ）とは？

徳島県小松島市にある、「阿波の狸合戦（あわのたぬきがっせん）」の伝説に登場し、死後の1848年に正一位を授かった狸の金長を、"金長大明神" として祀る珍しい神社。

伝説には諸説あるものの、江戸時代の天保年間に、大和屋の茂右衛門に助けられた恩に報い義を貫こうとした金長が、修行先の六右衛門の逆鱗に触れ合戦となり、仲間の仇討ちにて深手を負い落命。憐れんだ茂右衛門が金長を祀り、やがて人々に崇められていった…というのが大まかなストーリーだ。

そんな伝説をもとに1939年4月13日に公開され大ヒットを記録した、新興キネマの映画『阿波狸合戦』に出演した俳優らの寄進にて造営されたのが、この社のルーツとなる芝山の山麓に建つ日峰神社の境内社である「金長神社 本宮」で、1954年3月13日の『阿波おどり狸合戦』の再映画化を受け、1956年に地元の要望もありこの地に勧請されたのがこの社となる。

商売繁盛や開運のご利益があるとして、商人や芸能人など多くの人が訪れており、社殿内にはたくさんの狸の置物が奉納されている。また近年はパワースポットとしても人気となっている。