永源寺（えいげんじ）とは？

滋賀県東近江市にある、山号を「瑞石山（ずいせきざん）」と称し、秘仏の世継観音菩薩（よつぎかんのんぼさつ）を御本尊とする、全国に127の末寺を持つ臨済宗 永源寺派の大本山。南北朝時代の1361年に、近江守護職だった六角氏頼の開基、寂室元光（じゃくしつげんこう）の開山にて建立されたお寺で、2000人超の修行僧を抱え56坊を数えるまでに隆盛。

1467年に勃発した応仁の乱にて伽藍が焼失した後は衰退していったが、江戸時代中期に一絲文守（いっしぶんしゅ）を迎え、後水尾天皇（ごみずのおてんのう）やその中宮だった東福門院 徳川和子（とくがわ まさこ）、彦根藩主 井伊家などの庇護のもと再興。明治初頭に東福寺派に一時属するも、1880年に永源寺派として独立し現在に至る。

「総門」「山門」を潜ると、境内には「方丈」「禅堂」「法堂」「経堂」「開山堂」「鐘楼」「庫裡」などの伽藍が建ち並び、参道一帯にカエデやモミジが植わり 紅葉の名所 として知られる他、寂室元光が大陸から持ち帰ったとされる滋賀の伝統食である「永源寺こんにゃく」も有名。

2008年3月28日に、4代藩主 井伊直興と7名の奥方の霊廟が、東京の豪徳寺と同じ彦根の清凉寺とともに「彦根藩主 井伊家墓所」として 国の史跡 に指定された他、2015年4月24日には永源寺と奥永源寺の山村景観が、日本遺産『琵琶湖とその水辺景観－祈りと暮らしの水遺産』の構成文化財に指定されている。