釧路湿原（くしろしつげん）とは？

北海道の釧路市から標茶町（しべちゃちょう）・鶴居村（つるいむら）・釧路町に渡って広がる、1987年７月に28番目の国立公園として誕生した 釧路湿原国立公園 内にある、一級河川の釧路川が大きく蛇行して流れ、約80％がヨシやスゲに覆われた日本最大の湿原。

国の特別天然記念物のタンチョウの夏季繁殖地で越冬地であるとともに、日本最大の淡水魚であるイトウやオジロワシなどの絶滅危惧種、キタサンショウウオやエゾカオジロトンボなどの準絶滅危惧種など、約1300種の動物と約700種の植物が生息している。

1935年8月に「釧路丹頂鶴繁殖地」として 国の天然記念物 に指定されると、1952年3月に 特別天然記念物 に。その後1958年「釧路湿原」と命名され、1967年に特別天然記念物のタンチョウと分離され再び国の天然記念物となる。1980年には78.63k㎡が日本初の ラムサール条約 登録湿地となり、1987年7月に湿原を含む約268.61k㎡が国立公園に指定。2011年9月には、東京ドーム6157個分の約287.88k㎡に指定が拡大された。その間、1989年に「日本の秘境100選」に、2004年には「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれている。

湿原には「細岡展望台」「北斗展望地」「コッタロ湿原展望台」「釧路市湿原展望台」などの展望スポットが点在し、「釧路湿原野生生物保護センター」「細岡ビジターズラウンジ」「シラルトロ自然情報館」「塘路湖エコミュージアムセンター あるこっと」「温根内ビジターセンター」などの自然観察施設も設けられている。

尚、1989年より4月～10月にかけて湿原を行く観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」が、2000年より冬季に「SL冬の湿原号」が運行され人気となっていたが、ノロッコ号は老朽化のために2025年度で廃止に。2026年春より豪華観光列車のスタートレイン「赤い星」に置き換わる予定。