馬籠宿とは?
標高600mの岐阜県中津川市にある、江戸後期の1843年の記録によると、本陣1軒 脇本陣1軒 旅籠18軒が建ち69軒717人が住んでいた、木曽路11宿の中で最も南に位置する中山道43番目の宿場町。
奈良井宿・妻籠宿とともに、日本人の心の琴線に触れる風情ある町並みが魅力の人気の観光スポット。
明治時代の1895年の大火などにより、江戸時代のかつての町並みは焼失してしまったが、約600m続く石畳の坂道に沿って格子造りの家並みなどが復元されており、宿場町だった頃の面影を残す。
「木曽路はすべて山の中である」で知られる島崎藤村の小説『夜明け前』の舞台となったところで、島崎藤村の生家跡でもある本陣跡には「藤村記念館」が建っている他、「馬籠脇本陣史料館」や「高札場」「桝形」などがある。
また石畳の坂道の両側には、個性的な佇まいを見せる食事処やお土産屋が並んでおり、訪れる者を楽しませてくれる。
毎年11月には「皇女和宮降嫁行列」が開催される他、紅葉シーズンに合わせて「あかり街道紅葉ライトアップ」も行われる。
馬籠宿の見所
馬籠宿の南端にある桝形
馬籠宿の南端にある、外敵の侵入に備えた桝形。縦格子の家や常夜燈・水車などが、風情ある町並みを演出している。水車のある左側の直角に折れ曲がる下の道が元々の街道筋で、かつて妻籠宿を訪れた岩倉具視一行の人力車が、この角を曲がりきれず追突したとか。右上の道は、生活の便を考え1905年の改修で設けられたもの。初めて訪れた学生の頃に比べると、かなり観光化され綺麗になり過ぎている感もあるが、それでも心躍る宿場町だ。地元の名物を頬張りながら歩きたい!
坂の家・坂の蔵
桝形のすぐそばに位置する古民家風の食事処。蕎麦や栗おこわなどの他、甘味処として、あんみつやみつまめなどが味わえる。
馬籠宿の町並み
掲げられた屋号や木札などが宿場町のムードを盛り上げる。だらだら坂を歩きながら、左に右にちょこちょこ立ち寄りながらぶらぶらするのが、馬籠宿の楽しみ方だ。
清水屋資料館
島崎藤村の小説『嵐』に登場する家で、現在は宿場の資料館として、藤村の書簡や掛軸の他、陶磁器や漆器などを展示し、宿場の生活文化を今に伝えている。
旅人御宿 但馬屋
初代が但馬出身だったことからその名がついた、近くに専用駐車場も完備する馬籠宿で人気の民宿。部屋の窓から見下ろす宿場の眺めは、なんとも言えない。
道中おやき
このお店も素通りできない名物店。定番の野沢菜の入ったおやきの他、切り干し大根や小倉あんなどのおやきが味わえる。おやきが苦手な人は、肉まんを!
馬籠茶屋
街道の両側にある馬籠茶屋。右手がお食事処、左手が民宿となっている。静まり返った朝夕の宿場を体験したければ、ここで一夜を明かしてみよう!
山城屋
昔ながらの手法で、一個一個丁寧に仕上げていく、職人技が光る木製品が店先に並ぶ。手に取ればわかる木の温もりが、量産品にはない味だ!
藤村記念館
馬籠宿の中間点付近にある藤村記念館。島崎藤村が生まれた生家跡であるとともに、かつて本陣が置かれた場所でもある。向かいに観光案内所がある。
大黒屋
宿場町の景観を配慮しつつ、ひと際上品で和モダンな雰囲気を漂わす食事処。名物の特製の栗こわ飯が人気。この横の奥まった所に、旅館「岩茸」がある。
馬籠脇本陣史料館
史料館として生まれ変わった脇本陣跡の八幡屋こと馬籠脇本陣史料館。脇本陣の上段の間が再現され、当時の家財や什器などが展示されている。
近江屋
五平餅ならここもおすすめ。1本の竹串に丸い団子が3つ刺さる独特のカタチが人気のお店。半世紀以上変わらぬ味に、再訪して懐かしさを覚える人も多いとか…
喫茶 かっぺ
栗おこわ定食や五平餅定食などのランチメニューの他、抹茶やぜんざいなども味わえる。店内から恵那山を望みながらいっぷくしてみよう。
上扇屋商店
お酒好きなら絶対立ち寄って欲しいお店。木曽の地酒をはじめ、信州の焼酎やワインなどが揃う。宅急便での発送にも対応しているので便利だよ。
手打ちそば処 恵盛庵
ここまで足を伸ばす人は少ないが、趣のある佇まいを見せる、高札場近くにある手打ちそば処。石臼で自家製粉している手打ち蕎麦がうまい。
高札場
かつての宿場の様子を物語る高札場。ここより更に上った所に展望台があり、恵那山をはじめとした山々を一望できる。まさに木曽路はすべて山の中である…
地元の名物を頬張りながら、ゆっくり馬籠宿を楽しもう!
ただ歩くだけじゃダメ!たっぷりと時間をかけ、一軒一軒お店に立ち寄りながら楽しまないともったいないよ!
馬籠宿の南端にある枡形に注目!
かつて岩倉具視一行の人力車が、曲がり切れず追突したという桝形。必ず下の旧道を歩いてみよう!
静まり返った夕暮れ時の馬籠宿もおすすめ!
ツアー客が去り静まり返った夕暮れ時は、昼間とは異なり郷愁感たっぷりで心の琴線に触れるよ!
馬籠宿 編